Arma3で地図が読めないアナタも、これさえ読んで練習すれば、地図が読めるようになる!地図を活用できるようになる!もう迷子にならない!そんなガイドです。
地図は見てるけど、一体どういう地形なのかわからない・・・。
敵を見つけたのに、マップに印をつけられない・・・。
仲間とはぐれてしまい、山の中で迷子・・・。
でもこのガイドを読み終わった頃には、もうそんな自分とはオサラバできることでしょう。
Arma3では、デフォルトでは M キーでマップを開くことができます。
これがマップです(画像はStratisのマップ、クリックで画像を開く)。
マップに、黒いタテ線とヨコ線が引かれているのがわかると思います。
これはグリッド線と言い、「地図の上に一定間隔で引かれた線」のことです。
この線で区分けされた1つの箱が、グリッドです。
軍隊では主に、このグリッドを使って、地図の特定の位置を指し示します。これをグリッドシステムといいます。
では、なぜ一見この面倒くさそうな方法を使うのでしょう?
あなたが知り合いであるAさんと待ち合わせをしているとしましょう。
あなたとAさんは電話で、「じゃあ明日の朝9時、〇✕町の●クドナルドで集合しよう」と話し合いました。
・・・ところが、〇✕町にはマ●ドナルドが3軒もあります。一体どのマク●ナルドなのでしょう?このことに気づいたあなたは、再びAさんに電話をして「マクド●ルド〇✕町1丁目店で待ち合わせをしよう」と再度伝えなおしました。
我々一般人が利用する地図には、当然「町名」「番地」などが記載されており、ある特定の場所が何丁目何番地にあるのかを特定することができます。しかし軍隊の地図では、細かい場所を指定・指示したりするのに「〇丁目〇番地」と言っても、そこが自分の知らない外国だったら一体地図のどこにあるのか、はては地名の読み方すらわかりません。
そこで、グリッドシステムの登場です。先ほどの例で言えば、あなたとAさんが全く同じ地図を持っていたとして、グリッド線が書き込んであれば、「タテ軸123番、ヨコ軸456番のところにあるマクドナ●ドで待ち合わせをしよう」といった具合に、かなり精確性に特定の場所について共有することができます。
マップのグリッドには、前述の通り、タテ軸とヨコ軸が存在します。それぞれ、経度線と緯度線のようなものと思って頂いて構いません。Arma3では原則、タテ軸は、「北に向かうほど数字が増え」、「南に向かうほど数字が減り」ます。またヨコ軸(緯度線、東西方向)は「東に向かうほど数字が増え」、「西に向かうほど数字が減り」ます。
※例外的に数字の増減が逆転しているマップもあります。
タテのグリッド線2本と、ヨコのグリッド線2本に囲まれた正方形が、グリッド1個分となります。
最小のグリッド1個分は100m × 100mで、そこからマップをズームアウトすると1km × 1kmにまで広がります。
原則、タテ軸・ヨコ軸ともに100m間隔で線が引かれており、それぞれの線には3ケタの数字が割り振られています。先述の通り、北へ向かうほど、東へ向かうほど、グリッド線に割り当てられた数字は増えていきます。
グリッドを読み取る場合は基本的に、「その線を通り越した場所=そのグリッドに割り当てられた数字」です。難しいですが、「線を越えたら、その越えた線の数字を読む」と覚えておいてください。
では実際にグリッドを読んでみましょう。
以下の地図のド真ん中のグリッドは、「018 056」と読みます。
なお読み方は、「ゼロ・イチ・ハチ、ゼロ・ゴ・ロク」です。「じゅうはち、ごじゅうろく」ではないので注意してください。
グリッドシステムでは、先にヨコ軸(東西方向)を読み、次にタテ軸(南北方向)を読みます。それぞれの数字を繋げて読むと、「018 056」という6ケタの数字が出来上がります。これがグリッドです。
マップを見ると、無数のうねうねした線が描かれているのがわかると思います。これは等高線と言い、「海の表面の高さを0mとした時、海の表面から何m上がったところであるか」を示しています。また、同じ線で結ばれた任意の2点は、同じ高さにあることを意味します。
Arma3のマップでは、等高線は5本ごとに赤い線が引かれており、最大ズームイン時には5m毎に赤い線が現れます。上図のズーム倍率では、赤い線は50m毎に、黒い線は10m毎に引かれています。
山の頂上などには、数字が書き込まれています。これはその場所の標高で、特に地形の頂点になっている部分などに表記されています。
またこの標高と等高線を見ることで、ある地点の周辺が高くなっているのか(=谷や窪地)、それとも低くなっているのか(=山や丘陵)をある程度判断することができます。
先ほどの画像に登場した地形の周辺を、詳しく見てみましょう。
では実際の地形に照らし合わせてみましょう。
先ほどのマップで見た地形です。マップを見るだけではではあまり想像がつかないかもしれませんが、実際に見てみると等高線の通りの地形であることがわかります。
作戦を立てる際や、移動経路を策定する際には、実際に行ってみて行き当たりばったり・・・というわけにはいきません。等高線や標高の表記から、現地に行かなくてもある程度地形が把握できるようになることが大切です。
マップの活用法の1つに、「自分の位置を知る」というものがあります。現代においてはスマートフォンにインストールされた地図アプリを開けば、GPSによって自分が地図上のどこにいるのかを瞬時に知ることができます。ですがもし、スマートフォンもGPSデバイスも無く、地図だけを渡されたら・・・。
ただマップを眺めているだけでは、もちろん自分の位置を把握することはできません。そこで、周りの景色からヒントを得て、自分の持っているマップと照らし合わせ、自分の位置を(ほぼ)ピンポイントに把握するテクニックを解説します。
あなたは山あいの草原で仲間とはぐれ、迷子になってしまいました。
周りには一面のクソ緑、特に人工物なども見当たらず、また仲間とずいぶんと離れてしまったのか、無線を使うこともできません。この広大なマップであなたはひとりぼっちです。
手元にあるのは、ライフル、双眼鏡、そしてマップ・・・あなたは、自分の位置を把握し、仲間がいるであろう方向に歩いていき、そして合流を果たさねばなりません。
まずは人工物など、地図に書いてそうなモノを見つけましょう。といっても、あなたが今いるのは山あいの低い場所。周りを見渡しても植生しか目に入りません。ここで重要なのは、「少しでも人工物等を見つけられる確率が高い、高台に移動する」ことです。
というわけで、手ごろな感じの高台っぽい、あの辺に行ってみましょう。
「あの辺」は、見晴らしのいい稜線でした。
あなたはここから、肉眼で、もしくは双眼鏡を使って、ランドマークになりそうな人工物を探します。
・・・なぜ「人工物」なのでしょう?
答えは、「マップに載ってそう」だからです。もちろんマップですから、その地域の地形なども全て網羅しているのですが、だからといって隣の山を眺めて「この角度の傾斜がついてるから、この山だ!」とマップからその山を探り当てるのは至難の業です。できたとしても途方もない時間を費やすことになります。それならば、マップに点在している人工物のほうがまだ「見つけやすい」し「マップ上で特定しやすい」のです。
ここで重要なのは、
の3つです。特に一番上「今いる場所から絶対に移動しない」がかなり重要です。
というのも、これからあなたは、「2つ以上のランドマークを見つけて、それぞれの方角を元に自分の位置を割り出す」という作業を行います。自分の位置を特定するためには、ランドマークを見つけるという「観測」をしなければいけません。そして観測は、「定点(ずっと同じ場所)から」「精確に」ことが非常に重要なのです。観測しているうちに自分が移動してしまっては、正確な情報を得ることは叶わないのです。
あなたは、「130度の方角に、巨大アンテナが3本、横一列に並んでいる」のを発見しました。先ほども述べましたが、かなり特徴的な人工物です。いまあなたは、130度の方角を向いています。あなたから見てアンテナ3本が横一列に並んでいるということは、このアンテナ3本は「南西から北東に向けて一列に並んでいる」と推測できます。「アンテナが3本」だけではなく、「どの向きにどの間隔で並んでいるのか」も大事なヒントです。
ではこの「巨大アンテナ3本組」をマップ上から探してみましょう。
発見しました。先ほど自分の目から得た視覚情報と非常に近いです。アンテナ3本が南西から北東に向けて並んでおり、またアンテナ同士の間隔も見たままのようですね。またあなたはこれを、現在地から130度の方向に発見したので、この「巨大アンテナ3本組」はあなたの位置から南東方向にあることがわかります。逆を言えば、あなたはこの「巨大アンテナ3本組」から見て北西方向にいるのです。
ではここからマップ上でのお絵かき作業の時間です。マップは開いたままで、Ctrl + Shift + 左クリックをしてみてください。直線が描けるはずです。これでマップ上に目印を書いていきます。
マップ上の「巨大アンテナ3本組」から直線を引いていくのですが、「巨大アンテナ3本組」を起点とするため、「自分が見ている方角と反対方向に線を引く」必要があります。130度の反対方向は(130 + 180 = 310)なので、「巨大アンテナ3本組」から310度方向に直線を引きます。この時、わりと長めに書くと後で楽になります。マップ上でだいたい2km分くらいの直線を引きましょう。
それでは次のランドマークを探します。
今度は、「180度の方角に、巨大なゴルフボールを」発見しました。これはまたクセの強い人工物です。
このゴルフボール、このページをご覧になる方なら大抵検討はついていると思いますが、あれはレーダードーム(レドームとも言う)です。さすがにこれだけ巨大な構造物であれば、マップにも記載があるはずです。
(ちなみにメタいことを言うと・・・このレドーム施設はStratis島に1つしかなく、また「Air Station Mike-26」という地名までついています。さながら名勝の扱いですね。)
これに関しても先ほどと同様に、マップ上で当該人工物を見つけたらそこから直線を引いていきます。
ヒントとなる人工物を2つ見つけた今、マップ上には2本の直線が引かれているかと思います。この2本の交点がおよそ自分のいる位置なのですが・・・確実性を増すために、最後にもう1個だけ人工物を見つけましょう。
最後は「227度の方角、手前に大きな岩場がある巨大アンテナ1本」です。
マップ上でこれまでに引いた2本の直線、その交点から見て220度~230度の方向にアンテナがあるはずです。探して先ほどと同様に直線を引きましょう。
3つのヒントから3本の直線を引きました。その交点が、ほぼあなたのいる位置です。Stratis島の中央北側ですね。
さらにズームすると・・・
3本の直線がかなり近くで交わっているのがわかります。これはかなりの精確さをもって3つのヒントを観測できた証です。
これは、かなり精確にあなたのいる位置を特定できたと言ってよいでしょう。
ちなみにこの交点(≒あなたの位置)のグリッドも、当然マップから読み取れます。あなたは「043 057」のグリッドにいるのがわかりますね。
以上が、「マップから自分の位置を特定する」テクニックの解説になります。エディターを開いて2~3回練習すれば、誰でもすぐできるようになると思いますので、まずは練習してみましょう!
ここで紹介するもう1つのマップ活用法は、すなわち「索敵」です。厳密に言うと、「索敵の結果をマップに記入し、仲間と共有する」ことを目標としています。
敵を発見したけど、マップで言うとどの辺りにいるんだろう・・・?
移動経路と被ってないかな・・・?
もしかして、作戦説明の時にマップで見た重要拠点ってアレなのかな・・・?
索敵した結果をきちんと、そして精確にマップに記載できれば、そういった疑念・疑問を解決し、作戦遂行に役立てられること間違いありません。
前述「迷子になったら~」の応用です。先ほどはマップツールを用いて線を書いた結果、発見したヒント(人工物)と自分との距離が判明しました。これの応用で、「対象の方角と距離」がわかれば、マップに記せるわけです。なので、測距をしましょう。
測距とは、読んで字のごとく「距離を測る」ことです。
・・・どうやって?
あなたの手元にある中で使えそうのは、
の3つです。この3つを巧みに利用し、対象との距離を測って、マップに記入していきます。
あなたは、自分のいる位置から見て025度の方角に敵の分隊を発見しました。方角はもうわかっているので、あとは距離を測るだけです。距離を測るツールは、「双眼鏡」です。
上図を見てもわかる通り、双眼鏡には(銃のスコープのような)線と目盛りが引かれていますね。ライフルスコープにも等間隔で点が打ってあるものがありますが、これらは「ミルドット」と呼ばれ、一般的に「1000m先にある長さ1mの物体が1ミルにピッタリ収まる」のを1ミルと呼びます。言い換えると、「いま見ている長さ1mの物体がピッタリと1ミルに収まっているのならば、その物体は1km先にある」ということになります。
・・・なのですが、Arma3の双眼鏡は10ミルごとに区切られています(数字がついている線=10ミル間隔)。横長の線(ベースとなる線)から上に1、2、3・・・と数字がついている線がありますね。これが10ミル間隔の線です。
ここでは10ミル=1目盛りを使って、話を進めていきます(1目盛り=1km先で10m)。
計算を始める前に、まずは対象と自分の方角に線を引いていきます。
迷子になった時と同様、マップツールで線を引いていきます。この時、対象の方角を知りたいので、先ほどとは逆に「自分の見ている方角」にそのまま線を引いていきます。自分が起点となりますからね。
さて次に、測距に移ります。
本来の計算式としては、
対象の長さ/高さ(ミリメートル) ÷ ミル = 距離
なのですが、双眼鏡の1目盛り=10ミルなので、後ほど計算しやすいように、割る数と割られる数の両方に10を掛けて
対象の長さ/高さ(1ミリメートル × 10 = センチメートル) ÷ (ミル × 10) = 距離
とします。
センチメートルとメートルの暗算すら面倒臭い人は、もう式の中に組み込んでしまいましょう。
どうせ戦車の全長とかメートルで覚えているでしょうし・・・。
対象の長さ/高さ(メートル) × 100 ÷ 目盛り数 = 距離
とします。
では実際に、先ほど発見した分隊との距離を測ってみましょう。
計算式は、上述一番最後のものを使います。
1.8m × 100 ÷ 1/4目盛り = 720m
このように、対象までの距離がおよそ720mであることが導き出せます。
距離がわかったら、マップを開いて実際にマップ上で対象がどこにいるのかを特定しましょう。
マップツールの使い方は、迷子になったときに履修した通りです。
ここでは更に、マップツールの端についている目盛り(定規)も利用します。
上図に書かれている通り、マップツールの端の目盛りは
となっています。Small Map Toolでは端から端まで使えば、最大3kmまで測れますね。
使い方はとっても簡単。マップツールを自分の見ている方角に合わせたら、あとは定規の0の部分を自分に合わせるだけ。
自分から数えて720mのところにマーカーを置きましょう。ここが、おおよそ先ほど発見した敵の分隊がいる位置です。
先ほどはヒトの身長(Arma3内では約180cm)を使って測距しましたが、別にヒトの身長でなくとも、長さがわかっているものであれば何でも使えます。
今度はソ連の名作戦車、T-72です(画像はT-72B)。
といっても型番違いで1m以上も差がでるハズはありませんので(多分)、Wikipediaあたりからテキトーに拾ってきた数字を使います。
Wikipediaによると、6.86mとのことです。四捨五入すれば6.9mなので、6.9mとして計算してしまいましょう。
先ほどは身長(高さ)を測ったので、双眼鏡のレティクルのタテ軸を使用しましたが、ヨコ軸も全く同じ10ミル=1目盛りになっています。今回は車体の前後の長さを測りたいので、ヨコ軸を使いましょう。
6.9m × 100 ÷ 1目盛り = 690m
というわけで、この敵戦車と自分の距離は690mであることがわかりました。あとは先ほどと同様に、マップとマップツールで敵戦車の位置にマーカーを置いてあげましょう。
これまでは双眼鏡で測距した結果を元に、敵の位置を特定してきました。が、今回の敵(UAZジープ)には双眼鏡が使えません。
・・・というのも、遠すぎて豆粒ほどの大きさにしか見えない上に、あなたから見て車体がナナメになっています。
これでは、先ほどの(ほぼ真横を向いていた)敵戦車に使った方法は使えなくなります。またあなたは対象よりも高い位置にいるため、上から見下ろす形になっています。実際にジープの屋根が見えていますね。ということは、高さを測ろうとしても先ほどの兵士のように精確には測れません。ではどうするのでしょう?
答えは「周りの地形を見る」です。幸いにも、UAZジープは市街地の中にいるようで、周りには特徴的な人工物が点在しています。
まず、対象のUAZジープは明らかに市街地の中にいます。周りの建物の数を見ても、市街地であることが容易に想像できますね。
次に、UAZジープがいる場所です。コンクリート製の小さな橋の上にいますね。そしてその下には水が流れている気配のない、枯れた川。
これら視覚情報から得られた情報を元に、マップを利用してこのUAZジープの位置を特定していきます。
まずは、迷子編の応用で自分の視線の方角に線を引いていきます。この線と、先ほど見た「市街地」が重なっている場所をマップから探します。図のように、あなたの視線上には(マップ上でも)市街地があるのが確認できます。更に向こう側は海で、視線上にはこの市街地1つしかないようですので、あなたが見ている市街地は、上図の赤丸で囲まれた市街地であることがほぼ確定しました。
マップ上で市街地にズームしてみます。自分の視線とちょうど交差するような位置に、橋のようなものがありますね。更には、その東西に走る川のような地形が確認できます。これが先ほど見つけた「コンクリートの小さい橋」と「枯れた川」である可能性が高いです。もっと精確にするならば、例えば川のうねり方や、橋が通っている方角(この場合はほぼ南北方向)などをしっかりと観測することで、マップとにらめっこするだけでほぼ確実に対象(や周りの人工物)の場所を特定できます。
もう分かりますね。敵のUAZジープは橋のド真ん中にいるので、上図のマップ上でいう赤丸のところにいることが判明しました。
このようにして、周りの人工物や地形、それが設置されている方角などを緻密に観測することで、測距しなくても(できなくても)対象の位置を精確に特定することができます。
・・・では、人工物が無かったら?
またまた山の中です。すっごい遠い場所にある山のてっぺん、豆粒どころかゴマかアリというレベルに小さい点になってしまいましたが・・・敵の分隊を発見しました。上図を拡大表示してもじっくり見ないとわからないレベルです。
(※画像作成時にはきちんと敵の分隊を設置しています。)
人工物がなくとも、自然に形成された物は存在しています。ここでは、地形と植生を使って、対象の位置を特定していきます。
上図からは、
という特徴が見て取れます。これをマップ上から探し出すのですが・・・さすがにヒントが少なすぎます。ですので、双眼鏡を一旦降ろして・・・
地形を参考にしましょう。ゴマかアリか、というくらい対象が小さく見えているため、相当な距離があることが予想されます。距離があるということは、その分、対象とあなたの間には特徴的な地形が現れる可能性が高い、ということです。なお真っ平らな砂漠などでは・・・諦めましょう。
上図を見る限り、対象とあなたの間には稜線が少なくとも2本あり(稜線①、稜線②)、また一番奥に見える稜線(稜線③)のほぼてっぺんに、対象である敵の分隊がいることがわかります。
マップを開き、これまで同様、自分の視線上に線を引いていきます。
そして、視線には稜線が3本重なっているはずです。探してみましょう。
先ほど手前から稜線①、稜線②、稜線③と3つの稜線を発見しました。マップ上でも等高線を見ながら、稜線であろう場所を割り出していきます。
上図の通り、見事に3本の稜線を発見しました。自分から見て3本目の稜線、そのほぼ頂上、そして手前側に敵の分隊はいるので・・・
稜線③と視線との交点に、敵の分隊はいる、と考えてしまってよいでしょう。
ただし、前述の通り「稜線のほぼ頂点」かつ「稜線の手前側」にいるので、(対象はあなたから見て南に位置することを踏まえて)敵の分隊は、稜線③の若干北側にいるはずです。
そこで先ほど発見した「敵の分隊の奥にツリーライン」「両脇と手前には木が生えていない」という情報をマップ上で照らし合わせます。
図でもわかる通り、「南側に林があり」「北側、東側、西側には木が生えていない」場所が、敵の分隊の位置になります。
おおよその位置でいいので、マップにマーカーを記入しましょう。
最後に、きちんと距離を測ります。その長さ、なんと1.8km。とんでもなく遠距離ですしこんな遠くにいる敵兵なんてぶっちゃけ気にしなくていいですが、きちんと位置を特定できました。ランド・ナビゲーションのテクニックと、マップやマップツール、双眼鏡、コンパスを適切に利用すれば、約2km先の敵でさえも、その居場所を特定することができます。
これまで執筆してきたガイドの中でも1、2を争う長さとなった、このランド・ナビゲーション(旧称:ナビゲーション講座)でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか。
MicroDAGRとVector 21さえ持っていれば、ぶっちゃけこんな知識はCoop中にはほぼ必要ないし、そもそもこんなことをしなきゃいけないほどド濃厚なCoopが頻繁にあるかというと、そうでもないのですが・・・。
やはり軍事シミュとまで謳われるArma3、こういった知識が「生かせる場」であり、こういったテクニックで「遊べる場」でもあります。
また、この記事で解説したテクニックは、前線指揮官や砲兵、前線観測員・・・果ては航空機パイロットまでもが活用できるテクニックばかりです。普段のライフルマンから離れて特殊兵科になった時、ちょこっと思い出して、ちょこっと活用してもらえれば幸いです。
Map Reading, Map Tools and Markers - Reading and using the Arma 3 Map #Arma3 | YouTube